クリーンルームの清浄度 クリーンルームの空気清浄度はクラス表示で表され、クラスごとに対象とする粒子の径と上限許容値が決まっていて、ISOクラスは1~9の9段階とされています。ISO規格(※JIS規格を元にしているので両者はほぼ同じ)クラス1のクリーンルームとは、1m3の空気中に0.1μm以上の微粒子が10個以下に管理された空間であることを示しています。これを例えて言うと太平洋にアジが10匹以下しかいないということになり、とてつもないきれいな…というより何もない空間であることが分かります。 ところで、現在わが国で最も多く使用されているクリーンルームの清浄度と言えば、ISOクラス7あたりであろうと推測されますが、この場合以下の表では、0.5μm以上の微粒子が352,000個以下とされています。しかしこれではずいぶん中途半端な数字だなという感じがしますよね。そこで、すでに2001年に廃止された規格ですが、米国連邦規格FED-STD-209Dが現場では現在でも習慣的に使用されているケースが多いようです。この規格では立方フィート中の0.5μm以上の粒子数の上限値をクラス○○として表示し、クラス1、10、100、1000、10000、100000の6段階に分けられています。そして、ISOクラス7はFED-STD-209Dクラス10000とほぼイコールです。下表にはISOと FED-STD-209Dを併記しました。汎用パーティクルカウンターを使うとき、吸引量が機種にもよりますが約0.1立法フィート/分~で、得られた数字をクラス換算するにはFED-STD-209D規格が分かり易く、現在でも多く使われている理由もうなずけます。 |
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備考1) 太平洋の基礎データ(面積1億6600万km2、平均深さ3.94km、容積6億5400万km3)を用いて計算すると、ビール缶(350cc)くらいの大きさの魚(ここでは「アジ」とした)が10匹となる。 備考2)1立方メートル イコール 35.31立法フィート 関連ページ |
クリーンルームの清浄度はどのように設計されている? | |
JIS B 9919 規格にクリーンルームの気流設計について記載があります。 | |
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同規格ではクラス2~5は一方向流方式の面風速、クラス6~8は換気回数(気流形式は非一方向流または併用方式)で設計するように規定されています。 ここでは需要の多いクラス6~8のクリーンルームについて考えてみましょう。 この場合、実際には換気回数だけに頼っていてはよりよい清浄空間を創ることが出来ません。特に換気回数を増やす→風速を速くする、という選択肢はほとんどの場合、逆効果になります。 では、どうすればよいか? 一言で言えば、レイノルズ数※1を下げればよい、ということになります。 |
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レイノルズ数を下げる工夫はいくつもの方法がありますが、クリーンルームにおいては吹き出し面積を増やし、かつ、吹出し風量を多く確保するという方法が有効です。そこで、シーズシーが推奨しているのが、CSバルーンです。エアコンやクリーンパッケージユニット(大型空気清浄機)の吹き出し口に取り付ける円筒形タイプやFFU用の逆かまぼこタイプなど様々なラインナップがあります。 |
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CSバルーン式クリーンルーム |
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CSバルーンの取り付けにより、同じ換気回数であれば、よりよい清浄度が得られます。逆に低い換気回数で清浄度を確保することが出来るので、イニシャルのコスト・ランニングコストを下げることが出来ます。 ところで、クリーンルームの風量を決める要素はもう一つあります。熱源がある場合は熱源に対して快適な空調を行うための風量が必要になります。つまり、「空調に必要な風量」 と 「正常化に必要な風量」 の多い方を採用しなければなりません。クリーンルーム内に炉や熱を多く発する装置を設置する場合は注意してください。 |
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